実績
プロジェクト概要
移転準備の各種クリエイティブを制作している中で、そういえばウェブサイトも新しくしないと、とご相談をいただきました。
限られた日数でのあわただしい作業でしたが、旧サイトの管理の中で気になっていた点も一つ一つ改修しながら、患者さん目線でデザイン・コンテンツ両面の効果的な刷新を行うことができました。
サービス
ウェブサイト企画・制作|レスポンシブ表示対応|WordPressによるCMS構築|コピーライティング|撮影|記事コンテンツ最適化によるSEO|解析・運用
依頼の概要
- 医院が新築移転するのに伴いサイトもリフレッシュ
- 新規に何か加えるつもりはないが、リニューアルの内容は提案に任せる
- 移転に関連してネット上でやるべきことがあれば、やってほしい
改善と差別化のための施策・提案
- 新装クリニックの印象と連動したデザインの刷新
- 院長先生、スタッフの人柄含めたクリニックの雰囲気、信頼感を反映
- 旧サイトのアクセスを分析、ユーザーの回遊路・導線を改善
- 専門的なテキストを一般ユーザー目線で補完
- スマートフォンでもストレスなく閲覧できるよう、フルレスポンシブでの構築
デザインから伝わること
院内の雰囲気、先生の人柄が感じられるサイトに
リニューアルにあたってはコンテンツ補完も兼ね、先生にインタビューを行いました。テキスト同様に簡潔な語り口ながら、リウマチ患者さんのQOLに対する想いと専門医としての矜持が熱く伝わってきます。
ウェブサイトは先生・クリニックの分身です。体調が悪いとき行きつけの病院に着いたらとりあえず安心する感覚をサイトでも提供できるように、とデザインに着手しました。
一般的に医院は白やベージュを基調とした近代的箱型の建物が多い中、新しい大口クリニックはシックなタイル張りの外装・木目調の内装、とんがり屋根の個性的な一軒家にリニューアルされました。この特徴はサイトにも生かしたいところです。
まず茶色のツートンカラーのタイルをベースに、さし色にはロゴの緑を持ってきてカラースキームを組むと、ちょうど樹木のような雰囲気になりました。
表面のデザインモチーフは、内外装を意匠化して訪れる前から知っているような親しみを感じてもらいつつ、そこから詰めた背景として長年の専門分野の経験を踏まえた先生の「大樹のような知恵と安心感」をサイトのコンセプトに据えます。
デジタル媒体だからこそ手の筆致を残す
きれいなのに人間味が無い、デザインからそんな感触を受けることがあります。不用意にマウスで引いた図形は画面の奥にある物まで見せてはくれません。
大仰にならないようにシンプルにデザインした本サイトですが、タイルのパターンやドットなどのグラフィック要素は手描きから起こしています。
一見して気づかないディテイルも無意識に人間の目はとらえているので、手描きのラフな感触は印象に大きな差を生みます。院長先生の、饒舌ではないけれど患者さんの負担軽減を常に考える姿勢、その不器用な温かみをサイトから感じてもらう一助になっています。初めて訪れるクリニックへの心理的敷居を下げるための下ごしらえです。
第一義的機能を忘れない
大口クリニックはリウマチ専門であると同時に、プライマリケアにも力を入れています。クリニックサイトの重要な機能は、「おなかが痛い今このとき」に開いているか?がわかる事。
今回リニューアルにあたりスクラッチからレスポンシブでサイトを構築し、手元のスマホやタブレットでも見やすく最適化、ファーストビューをはじめとして複数箇所に「診療時間」と電話番号を掲げています。
回遊路整備で情報の価値を高める
先生と患者さんのパイプ役として
旧サイトの解析から、特定の症状や病名経由でサイトにたどりつく閲覧者が多く、院長の知見を蓄積した「ひとくちメモ」をはじめ、リウマチの情報がフックとなっていることが分かっていました。
リウマチに関する文章は専門性の高い医療情報なので先生の原稿を直接掲載していましたが、一般の方には言葉が簡潔すぎて少しわかりにくいかもしれない、と感じていました。
そこで今回、自分が読んでわからなかった部分を、先生にインタビューを行い先生の「情熱も含めて」補完する形でリライトしています。
患者さん目線での院長ブログの項目整理
さらに「院長のひとくちメモ」はコラム全記事を専門用語、関連情報をリサーチしながら全記事読み込んだうえで、
・時系列の採番のみだった記事を、カテゴリーに分類、各記事にキーワードでタグ付けし、患者さんが興味と必要に応じて関連記事を回遊できるように
・執筆時から新規の薬の認可や法律の改正があった事項に注釈を追加して記事をアップデート
・長年の連載で揺れがあった専門用語や薬剤名の表記の統一
といった補完を施した更新草案を作成。先生に監修していただいてサイトに反映しました。
以上の施策を経て、「線維筋痛症」など具体的なキーワードでたどり着いた訪問者のサイト内滞在時間とページビューがリニューアル前後で有意に増加しました。
サイトでの種々の情報提供をきっかけとして県外からも患者さんが訪れるとのことです。
検索結果全般にも配慮する
制作サイト内にとどまらない情報の管理
病院、クリニックは自サイト以外にも各種ディレクトリサイトに情報が掲載されています。
一旦掲載した後にはほとんど更新メンテナンスされないため、移転した場合新しい住所が表示されず、外部のディレクトリ経由で見つけた人はクリニックにたどりつけません。
そこでGoogleマイビジネスに登録し検索画面でまず表示される住所、診療時間情報をコントロールするようにしました。
これで大口クリニックを目指して検索する人が混乱する確率はかなり低くなります。
さらに医療機関をリストアップしているディレクトリサイトに情報更新依頼を出して、新住所に変更してもらい、様々な経路から訪れる新規の患者さんが正しくクリニックに到達できるよう配慮しています。
あわただしい引っ越し日程の中、全面的に任せていただいたおかげで「こうあるべき」という施策をほぼすべて実施しながらも、院内の写真撮影を挟み移転完了から1か月という短期間で新規サイト公開までこぎつけました。
旧サイトのお知らせティザー処理から、患者さんへの情報提供がほぼ遅滞なく行われ、見た目の変化以上の大幅な改善が完了しました。